【イベントレポート】第1回「横浜・日ノ出町を面白がる会 夜の路地歩き編」(第2回は5/9、第3回は6/6開催)

2018年4月、YADOKARIと京急電鉄が横浜市日ノ出町・黄金町エリア活性化の一環としてオープンさせた、日本初の高架下タイニーハウス複合施設「Tinys Yokohama Hinodecho」。
YADOKARIが発信してきた動産やタイニーハウスによる未来の豊かな住まい方の提案と、電鉄の高架下という遊休地の活用、そして横浜市が取り組む「クリエイティブ・シティ(創造性あふれる都市づくり)」の流れが、大岡川のほとりの日ノ出町で一つになり誕生しました。

宿泊×コミュニティスペース×アクティビティーの相乗効果で、地元企業や居住者との交流ができるコミュニティハブとして街の活性化に携わっていくことを目指すこの場所では、すでにたくさんのイベントが企画されています。
▼ イベント催しはこちら
http://tinys.life/yokohama/culture/event/
その記念すべき第1回目のイベント「横浜・日ノ出町を面白がる会」が、4/26夜に開催されました!
横浜で働く人、このエリアが好きな人、地元の人、新しく住み移ってきた人など、さまざまな参加者が集い盛り上がったこの夜の様子をレポートします。

硬くなく、ほどよい感じで街にコミットできる会。
この日のファシリテーターはもちろんこの方、オモシロガリスト唐品知浩さん。「不動産を面白がる会」をきっかけに、調布、神田、日本橋…と続き、最近は広島や京都でも。難しい街の課題をいままでの慣例や常識にこだわらず、みんなで面白がって解決する「ブレスト型飲み会」を各地で開催しています。
「はじめて会ったゼロスタートの人同士でも仲良くなるのが早いのは、お酒の力ですよね(笑)共通の課題をツマミに、というのも良いんだと思います。最初から結果を求めてはいなくて、それよりも参加者が課題を解決するために、より面白いアイデアを思いつくような場づくりを心がけています。面白いことを思いつくと、人は動きたくなるものですから。街にとってもハードルを下げることが大事。ゆるい雰囲気で街を考えるってあまりないでしょ? でも、硬くなく、ほどよい距離感で街にコミットしたい人って意外と多いんですよ」

そんな唐品さんから見た、日ノ出町ってどんな街ですか?
「課題はいろいろありそうですよね。海に面した南側と山手の北側が分断されていて、人の種類も違ったりするんです。この会がその交わるポイントになったらいいですね。街歩きは1日でその街の魅力がわーっと出てくるから、どんな展開になるか楽しみです」

日ノ出町の昔といま。
さてここで、舞台となる日ノ出町界隈について、少し解説しておきましょう。日ノ出町を中心とした大岡川沿いは、時代と共に大きく変貌してきました。
一面の水田地帯だったところが、明治時代の文明開化で横浜が発展すると都市化が進み、大岡川に加えて水路が張り巡らされ、運搬船が人や物資を運ぶようになりました。野毛や日ノ出町、黄金町には水運を利用する米や材木などの卸問屋が増えていき商業地域として栄えます。関東大震災後に区画整理が行われ、1930年(昭和5年)には湘南電気鉄道(現在の京浜急行電鉄)の黄金町駅が開業、浦賀まで運転を開始。翌年には日ノ出町駅もできました。

戦後、再び大きく街の様相が変わります。高架下にバラック小屋の住居や飲食店が集まり、そんなお店の中から女性がお客を取る店「ちょんの間」ができ始め、いつしかこの一帯は「一大青線地帯」「大岡川スラム」となりました。1960年代には、大岡川で横浜名産のスカーフを染めていたため川は常にいろんな色をしていてインク臭かったとか、高度経済成長期には工場や家庭から排水がそのまま垂れ流されドブ川だったといいます。

しかしその後、下水道の整備や住民による環境保全活動で大岡川の水質は改善され、現在のように生き物が棲む川へと再生することができました。また、2000年代になると地域住民が行政・警察・大学等と連携しながらまちづくりを推進し始め、2008年(平成20年)には京浜急行電鉄と横浜市の協力により高架下に文化芸術スタジオが建設されて、アートを生かしたまちの再生を目指し「黄金町バザール」が毎年開催されるようになりました。
こんなふうに日ノ出町界隈は、いつも時代の先端の様相を色濃く映し出し、多様な人々が交差しながら、生まれ変わり続けてきたのです。

大人の夜の街歩き。ディープな路地もみんなで行けば怖くない!
満員御礼となったカフェ&バーラウンジで「日ノ出町を面白がる会 夜の路地歩き編」はスタート!参加者のみなさんは歩いてみたい地区ごとに5つのチームに別れ、まずはチーム内で自己紹介と作戦会議。その後Tinysを起点として、近隣にある野毛、黄金町、日ノ出町、伊勢佐木町&阪東橋・横浜橋商店街の夜を歩きます。(野毛はコンテンンツ多そうなので2チーム)

いよいよ参加者のみなさんが、夜の街へと解き放たれました!
唐品さんから言い渡されたミッションは「美味しそうなモノを食べながら集合写真」。そしてどんなに楽しくても21:15には必ずTinysに帰ってくること。
路地歩きで出会った面白いシーンは各チームが写真に撮りFacebookページに投稿、Tinysに再集合した後みんなで共有します。
チーム黄金町、昔からあるというお店を発見。女性優先らしい。
チーム野毛②は、「ファラ夫」に遭遇。LINEで友達に?!
チーム伊勢佐木町、呑み屋の店主から金言を授かる。「酒と女は2合まで」
チーム野毛①、女装子(じょそうし)さんの誘惑に負けそう…!
チーム日ノ出町、この看板がピンクである意味とは…?

各チーム、見つけたお店でカンパーイ!
みなさん夜の路地歩きがとっても楽しかったみたいですね!

そうこうするうちに名残惜しくも制限時間いっぱい。唐品さんから帰って来いとのメッセージが(笑)

再集合したTinysで、Facebookページの投稿をツマミに2次会の始まりです。野毛の伝説の呑み屋「ホッピー仙人」、必ずと言っていいほど混んでいて入れない「たべもの横丁」、一番人気のメニューが2つある店などなど、唐品さんが投稿を紹介するたびに各チームから、はたまた会場にいないのにFacebook上でリアルタイム参戦してきた日ノ出町ツウの方からの合いの手も入り、会場は大爆笑に包まれました!

イベント終了後に、参加者の方に感想を伺ってみると、
「黄金町のジャック&ベティという映画館が好きでこの辺にはよく来ているのですが、今までは映画を観てすぐ帰っちゃってました。もったいないことをしてたな!と。今後はこの街のいろんなところを歩いてみたい」

最近、仕事場がこの近くに変わったばかりというこちらの男性は、
「良い呑み屋があって、近くに住みたくなりました。今日は暮らして楽しいと思える場面にたくさん出会えたし、そこへ一緒に行けるかもしれない人達とも出会えたのが良かったです」
なんと本気で引っ越しを考えているそう!

6年前にJR桜木町駅の海側に移り住み、イベント中もみんなをリードしてくれたスーツ姿の男性は、
「こちら側にはあまり来たことがないので、実は道路の名前を知ってる程度なんです。こっちはディープなカルチャーのイメージが強くて今までは一人じゃ行けなかった(笑)でも今日はみんなと一緒に回れて街を知ることができました」
面白がる会は、日ノ出町を好きになるのに絶大な効果を発揮したようですね!

次回は街の課題出し。第3回以降は解決アイディアをブレストします!
この「横浜・日ノ出町を面白がる会」は第2回、第3回と続きます。
5/9開催の第2回(満員御礼)は面白がる会恒例の課題出し。題して「日ノ出町の良いところ、悪いところ編」です。変容してきた日ノ出町の未来はどうなっていったらいいのか、まずは情報と課題を共有し、6/6開催予定の第3回以降、出てきた課題の一つ一つに対してみんなでアイディア出しをしていきます。
日ノ出町コミュニティの新しい交流拠点の一つであるTinysから、みんなで面白がりながらどんな街を創っていけるのか。施設と街の今後がよりいっそう楽しみになった第1回のイベントでした。参加者のみなさん、ありがとうございました!
▼ 第2回「横浜・日ノ出町を面白がる会」詳細はこちら
https://www.facebook.com/events/1480458605392346/
主催 :
京急電鉄株式会社
http://www.keikyu.co.jp/
Tinys Yokohama Hinodecho by YADOKARI
http://tinys.life/yokohama/