Tinys Yokohama Hinodecho

Culture

【イベントレポート】第2回「横浜・日ノ出町を面白がる会 街の良いところ悪いところ編」(第3回は6/6開催)

2018年4月28日に横浜市・日ノ出町の高架下にオープンした「Tinys Yokohama Hinodecho(タイニーズ横浜日ノ出町)」は、動産・タイニーハウスを使ったユニークな高架下ホステル。その一角には「Tinys Living Hub(タイニーズ リビングハブ)」というカフェ兼イベントスペースがあり、日々の暮らしや働き方、そして街を豊かにするイベントが毎日のように行われているのです。

今回はすでに各所で実績をあげ注目されている「面白がる会」が「Tinys Yokohama Hinodecho」で行なった「横浜・日ノ出町を面白がる会」の第2回をリポートします!

そもそも「面白がる会」って何?

「面白がる会」は オモシロガリスト 唐品知浩 (からしなともひろ) さんが立ち上げた“ブレスト型飲み会”。多種多様な年齢・職種の人がビール片手にお題を面白がりながら話し合う会です。

オモシロガリストの唐品さんの軽快なトークで会場も盛り上がります

今まで多くのトピックや街に関連した「面白がる会」が100回以上も行われており、「神田を面白がる会」からは「MID STAND TOKYO」というキッチン付きイベントスペースが、「不動産を面白がる会」からは「ニュー不動産展」という大規模なイベントがうまれたそう。そして「調布を面白がる会」からは、今や人気イベントとして各地を巡回する「ねぶくろシネマ」がうまれました。

開催されると何かが起こる!と話題の「面白がる会」。「横浜・日ノ出町を面白がる会」でも、素敵なアイデアが生まれ、実現するかもしれませんね。

今回のテーマは、日ノ出町の“街の良いところ悪いところ”

「横浜・日ノ出町を面白がる会」は、全3回(途中参加OK)。日ノ出町を沿線に擁する京急電鉄と「Tinys Yokohama Hinodecho」を運営するYADOKARIが共同で主催しています。第2回の今回は、“街の良いところ悪いところ編”。第1回の“ 夜の路地歩き編”を経て、今度は街の課題を洗い出します。

▼ 【イベントレポート】第1回「横浜・日ノ出町を面白がる会 夜の路地歩き編」
http://tinys.life/yokohama/culture/report/368/

この“課題出し”のフェーズは「面白がる会」にはなくてはならないもの。現時点では街のマイナス要因である課題について、まずは面白がってみることで解決策が見えてくるそう。「多くの人が課題と思っていることの解決策は地域のニーズとも合致するので、ビジネスにだってなり得る」と主催者の唐品さんはいいます。なるほど、課題というと、見たくないものが出てきそうで身構えてしまいますが、実はそこに宝が隠されているかもしれないのですね。

第2回は“課題出し”のフェーズ

課題出しを始める前に、まずは唐品さんから日ノ出町の概要や外側から見た日ノ出町の課題について、次のような説明がありました。

日ノ出町はかつて大阪・飛田新地、沖縄・真栄原社交街と共に「三大ちょんの間」と呼ばれていました。“ちょんの間”とは、飲食店を装った違法風俗店のこと。

増えすぎた日ノ出町の違法風俗店は、2005年に横浜市と神奈川県警察による通称“バイバイ作戦”により一斉摘発されました。それからはアートの街として転換するべく「黄金町バザール」を開催するなど、イメージ改革のための努力を重ねてきたのです。

一方で街に対するインターネットでの口コミをチェックすると、「昔に比べて治安は悪くないが、女性の一人暮らしには不安がある」「横浜市の中心部にあり、アクセスは抜群だけれど、WINS(場外馬券場)が近いためか酔っ払いや喫煙者が多い」など、いまだに治安が悪いイメージを持つ人もいるようでした。

初対面でもなぜか盛り上がる。参加者による課題出しがスタート!

いよいよ参加者による課題出し。各テーブル4−6人に別れ、60分の時間を区切って日ノ出町の気になる点、改善したい点を話し合います。ルールは「人の意見を否定しない」こと。常識や慣例にとらわれず、自由な発想で発言してOKです。

お酒やおつまみを食べながら各テーブルごとのボルテージが上がってきます

ビールを飲んで気分がほぐれた頃合いなのか。どのグループでも参加者のみなさんが積極的に意見交換しているようです。集まっている人たちは日ノ出町歴が長い人もいれば短い人もいます。住んでいる人、職場がある人、たまに遊びに来る人など、ステイタスもさまざま。初対面も多いはずの人たちが、街について楽しく熱く語り合っている様子には、「面白がる会」が持つ力を感じます。

いよいよ発表。桜にベイスターズに朝活に……課題の先にはある強みとは?

最後に発表会として、各テーブルで話し合った結果が発表されます。6つのグループの発表内容をかいつまんでお伝えしましょう。
(※個人の意見ではなく、グループディスカッションで出た内容を代表者が発表しています)

グループ1

日ノ出町といって、具体的にどのエリアかがわかる人が少ない。「皆がよく知らない」というところが、イメージ回復の障害になっているのではないか。目黒川に負けない大岡川の桜並木、最近活躍めざましいベイスターズ、この要素を最大限に活用したい。例えば高架下にスクリーンをかけて、ベイスターズのゲームのパブリックビューイングを行ってはどうか。

グループ2

今の日ノ出町から黄金町界隈は、人がいない。むしろバイバイ作戦以前の、違法風俗店が軒を連ねていたときの方が人も多く、ある意味安全だった。もっと人の往来を増やしたい! 気軽に来られるきっかけが、桜の時期しかないのが問題ではないか。日ノ出町ということで、日の出感を出すような朝活イベントを行ってはどうか。

グループ3

バイバイ作戦以降、むしろ街に活気がなくなってしまった。もっと街の人々の声を取り入れた形で街を変革していくべきだったのでは? たとえば鎌倉のように、地元の人の手で街を作っていくことはできないだろうか。違法風俗店は、違法である点はよくないが、文化のひとつともいえたのではないか。

グループ4

日ノ出町は、周辺に繁華街が多くロケーションが良いはずなのに、人がいない。大岡川をうまく使って、人を呼び込めないか。海から交通手段として船を使えるようにしては。また川沿いにキッチンカーを並べたようなイベントを行ってはどうか。また道が暗いのを逆手に取り灯を上手に使って、提灯や、灯を使ったインスタレーションを街の名物にしては?

グループ5

なんとなく道や川が汚かったりする。もしかしたら外国人やお年寄りが多く、ゴミ出しのルールが徹底していないのかもしれない。町内会などの街づくりの場をもっとフラットにして、コミュニケーションを改善しては? 風俗街のネオンピンクだった頃以降の、日ノ出町のカラーが見えないので新たな日ノ出町のカラーを打ち出したい。

グループ6

日ノ出町と隣り合う野毛を一帯化してしまってはどうか。日ノ出・野毛エリアで、武蔵小山・西小山で行なっている「ハイサワー特区」のような、はしご酒をできるような仕組みを考えてはどうだろうか。また日ノ出町ソムリエ・野毛ソムリエのような人を認定してガイドにすれば、女性など今まで来なかった層にも広がっていくきっかけになりそう。SNSも活用したい。

いかがでしょうか? 課題出しと言いつつも、皆さんの街への愛が強すぎて解決のアイデアがどんどん湧き上がってしまうようでした。「このアイデアを実現したい」「自分にも日ノ出町を面白くするアイデアがある」と思った方は、ぜひ第3回の「横浜・日ノ出町を面白がる会」にご参加ください。次回はいよいよ日ノ出町を面白くする具体的な方法を話し合います!

▼ 第3回「横浜・日ノ出町を面白がる会」 詳細・参加申込はこちら
https://www.facebook.com/events/1797823230307354/

主催

京浜急行電鉄株式会社
http://www.keikyu.co.jp/

Tinys Yokohama Hinodecho by YADOKARI
http://tinys.life/yokohama/

◯◯を面白がる会
https://www.facebook.com/omoshirogaru/